デイトレードやスキャルピングを行う人にとって、毎日安定的に利益を出すことは長期的に勝ち続ける条件のひとつです。
巷でよく言われているのは、毎日10pips獲ることを目標にしようというものです。しかし、目標数値にしては小さすぎる気がします。
もちろん、コンスタントに10pips獲れればよいですが、毎日トレードを行っていると必ず大きな損失を出したり負ける日が続いたりするものです。
そのことを考えれば、もう一声利益を積み重ね、毎日20pipsという数値を目標にしてみてはいかがでしょうか。
今回は毎日20pips獲ることは可能なのか、もし毎日20pips獲れるとしたらどれだけのペースで資金が増えていくのか考えていこうと思います。
毎日20pipsを獲るには?
毎日20pips獲ることは可能でしょうか?利ザヤを取るためには当然のことながらボラティリティが無ければいけません。
為替相場では毎日どれだけのボラティリティが発生しているのでしょうか?2019年末のドル円相場で毎日の高値と安値を見ていきましょう。
日にち | 高値 | 安値 |
12月23日月曜日 | 109.537 | 109.336 |
12月24日火曜日 | 109.441 | 109.324 |
12月25日水曜日 | 109.405 | 109.338 |
12月26日木曜日 | 109.683 | 109.330 |
12月27日金曜日 | 109.587 | 109.431 |
一番ボラティリティが大きいのは12月26日木曜日の35pipsです。一方でボラティリティが小さいのは12月25日水曜日の7pipsです。
これを見ると、1日ポジションを持ち続けるだけでは20pips達成できない日があることが分かります。
もちろん市場参加者が少ない年末のため、ボラティリティが小さいことはあります。しかし、コンスタントに利益を上げていこうと思えば、ボラティリティの小さい局面でも利ザヤを獲っていく必要があります。
値動きの小さい相場でも20pipsをゲットするためには、資金回転率を上げていくしかありません。
特に表で見たように値動きの小さい相場では、1日に数回エントリーを行うデイトレードよりも、数分~数十分ごとにエントリーを繰り返していくスキャルピングが向いているでしょう。
毎日20pips稼ぐとどれだけ資金が増えるか
それでは毎日20pips稼ぐことができたら、どれだけ資金を増やすことができるのでしょうか。前提条件を設定してシミュレーションしてみましょう。
前提条件
・トレード日→土曜日日曜日を除く毎日
・日ごとの獲得pips→20pips
・開始資金→10万円
・得た利益→資金に追加する
・枚数→資金に応じてフルで取る
約3か月後までの残高推移
日にち | 開始残高 | 枚数 | 獲得pips | 利益 |
1 | 10万円 | 2枚 | 20pips | 4000円 |
2 | 10万4000円 | 2枚 | 20pips | 4000円 |
3 | 10万8000円 | 2枚 | 20pips | 4000円 |
10 | 13万6000円 | 2枚 | 20pips | 4000円 |
20 | 18万8000円 | 3枚 | 20pips | 6000円 |
30 | 26万6000円 | 5枚 | 20pips | 1万円 |
60 | 80万4000円 | 16枚 | 20pips | 3万2000円 |
60日間コンスタントに20pips獲り続けた場合、資金は約8倍に増えています。60日目の利益は3万2000円、累積の利益は70万円です。
「そんなものか」と思われるかも知れませんが、元手10万円なので仕方ないでしょう。しかし、ここからどんどん資金の増え方は増していきます。さらに日にちを進めてみましょう。
約9か月後までの残高推移
日にち | 開始残高 | 枚数 | 獲得pips | 利益 |
90 | 255万6000円 | 51枚 | 20pips | 10万2000円 |
120 | 824万円 | 164枚 | 20pips | 32万8000円 |
150 | 2667万2000円 | 533枚 | 20pips | 106万6000円 |
180 | 8643万8000円 | 1728枚 | 20pips | 345万6000円 |
資金10万円から開始して、ドル円で毎日20pips獲得できたら、180日後には8643万円に到達することになります。
これ以降については、表に書くまでもなく指数関数的に資金が増えていきます。
いかがでしょうか。一日20pipsの凄さを感じた人もいれば、そうでもないなと思った人もいることでしょう。
しかし、わずか180日間のトレードで10万円から増やした額である8000万円を少ないと思う人はまず居ないでしょう。
1日20pipsを達成するためのポイントは?
ここまで2つの結論を導くことができました。
・1日20pipsを稼ぐことは、スキャルピングを利用すれば可能である
・1日20pipsを積み重ねていけば、180日後の資金は8000万円を超えてくる
1日20pipsを達成したり、それに近い成績を残したりできれば、この2つの結論を実感してもらうことができるはずです。
次に紹介することは、1日20pipsを達成するために押さえておきたいポイントです。
必ず複利の力を使おう
これは1日20pips達成するためという以前に、資金を効率よく増やすために押さえておきたいポイントです。
複利の力を使えば、利益を元手資金に加えることで、より高い収益性が実現できます。先ほどのシミュレーションであれだけの収益を得られたのは、複利の力を使ったからです。
初めの資金10万円だけで運用を続けていたとしたら、毎日の利益はわずか2000円という状態が続いていたでしょう。
せっかく1日20pips稼ぐのであれば、利益は引き出さずに全額投資資金として使いましょう。
損切りは徹底しよう
1日20pipsを達成するためには損切りの徹底は絶対条件です。どんなに調子のよいときでも、相場の流れによっては損失を出してしまうことがあります。
損失を出してもなるべく傷口を広げないように、早めに損失を確定してみましょう。できれば5pips以内、最悪でも10pips以内に損失は抑えるようにします。
ただし、損切りポイントはエントリー前に決めておくことが大切です。単純に5pipsや10pipsという数字で損切りを決めるのではなく、テクニカル分析で根拠となるポイントを見つけることが大切です。
言い換えると、根拠のある損切ポイントがエントリーポイントから10pips以上離れていたら、エントリーしない方がよいということになります。
順張り狙いか逆張り狙いかは臨機応変に変えよう
最初の表で見たように、為替相場は常にボラティリティが大きいわけではありません。1日で10pipsも動かないような状況もあり得ます。そのようなレンジ相場では、逆張りを狙って利益を上げていくしかありません。
もちろん、利益を出しやすいのはトレンド相場です。トレンドフォローという形で順張りを行えば、初心者であっても比較的容易に利益を上げられるでしょう。
どんな相場でも利益を出すには、相場を見極める力や柔軟な対応力が要求されているのです。
まとめ
今回は1日20pipsを達成ための重要ポイントや資金の増え方について紹介しました。もちろん実際には、毎日20pipsキレイに獲れることはなく、10pipsしか獲れない日やマイナスの日、または50pips獲れる日もあるでしょう。
もちろん、日ごとにバラツキがあったとしても平均で20pipsほど獲れれば、今回のシミュレーションに近いペースで資金が増えていくはずです。
いかにすごいペースで資金が増えていくのか確認したところで、1日20pipsを目標にトレードしてみてはいかがでしょうか。
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